【ホスト道Vol.8】史上最年少1000万プレイヤー“ほへとに伊呂波”がホスト界に巻き起こす旋風とは?

COLUMN〜ふゆつきコラム〜

ホストの頂点を目指す道は、決してひとつではない。だが、自分だけの道を切り開き、極めなければ「上」には辿り着かない。
この連載では、トップクラスのホストたちに、No.1を目指す上での心得、思考、大切なものを聞いていく。ひとりひとりが持つ、ホストとしてのプライドとその歩みとは。

若干20歳で1000万円プレイヤーとなった、冬月グループきってのホープ。最年少記録を打ち立てたときの想いやそこに至るまでの経緯、今後の目標などについて、ホスト業界の新時代を担う彼の哲学を訊ねた。

Profile

ほへとに伊呂波(ほへとに・いろは)


『Liz』の副主任。学生起業家を経て、ホスト業界に。20歳という若さで月間売上1000万円を打ち立て、グループ最年少記録を樹立。ホストとしての最高月収は1400万円。冬月モンスターズウォー4位。

20歳で最年少1000万円プレイヤーに


インタビュアー

伊呂波さんは今年、グループ最年少で1000万円プレイヤーの仲間入りを果たされましたが、まずはその率直な感想をお願いします。


18歳でこの業界に足を踏み入れたときから、「やるからには1000万円プレイヤーになる」と決めていました。なので、20歳でその目標を達成できたことは純粋に嬉しかったですね。しかも、最年少記録というおまけ付き。やってやったなって感じです。


インタビュアー

そもそも、ホストという職業を志したのには何かきっかけがあるのでしょうか?


じつは、ホストになったのはまったくの偶然で、もともとは学生企業家でした。でも、一緒にやっていた友人に会社のお金を持ち逃げされて、1000万円近い借金を背負うことになったんです。家出同然で親元を離れたし、起業のために大学も辞めていたから、本当にどこにも行くところがなかった。そんなときに、たまたま入ったバーでホストに誘われたんです。


インタビュアー

ということは、借金を返済するためにホストになられたということですか?


最初のきっかけはそうでした。生活のためにはホストをやるしかない、と。ありがたいことに、1年で全額返済することができました。


インタビュアー

たったの1年で⁉ そのためにやられたことはありますか?


返済計画はしっかり立てていました。借金がなくなり地に足がついて、皆と同じスタートラインに立つことができてからは、トップになるためにいろいろ考えましたね。「自分の最高売り上げはどのくらいまでいけるのか?」「そのためにはどうすればいいのか?」「お店での自分の立ち位置は?」「グループでは何位?」。そうやっていろいろ試行錯誤を続けてきたからこそ、最高の結果に繋がったんだと思います。

最年少記録の保持と後輩育成の両立の難しさ


インタビュアー

現在、最年少記録を保持されていますが、「いずれ記録を塗り替えられるかもしれない」という危機感はありますか?


当然、記録を越されたらどうしようと思うことはあります。若くて有望な奴がいたら「早く20歳過ぎろ!」と思うこともあるし(笑)。でも、可愛がっている後輩なら売上が立てば嬉しいし、人にもよりますかね。


インタビュアー

伊呂波さんの記録を更新するには、未成年で1000万を目標にしないとですね。


そうですね。ノンアルで売上を立てるのってやっぱり難しいし、しんどいんです。だって、お酒を飲む場ですからね。でも、後輩には「それを言い訳にするな」とよく言っています。記録を越されたくないっていう気持ちとは矛盾しているかもしれないけど、未成年の後輩には自分の経験を活かしていろいろと親身になって教えてあげたりしています。


インタビュアー

伊呂波さんはすでに「副主任」という肩書も持っていらっしゃいますもんね。


でも、それはあまり意識していません。俺なんかまだまだ若造だし、好きにやらせてもらっています。ただ、単に先輩として舐められちゃいけないな、という気持ちもあるし、ホストの社会について教えることも大事だなと思っています。ホストに成り立てのとき、先輩たちが社会のあり方とか言葉の遣い方、大人との接し方からご飯の奢られ方まで、親身になって教えてくれたんですよ。それはすごく勉強になったから、後輩に誘われたらどれだけ時間がなくてもご飯を食べに行く。俺は風呂好きだからたまに一緒に銭湯に行ったりとか。たとえ30分でも話を聞いてあげたい。


インタビュアー

肩書だけじゃなく、態度で示しているわけですね。

接客の極意は、まず自分が楽しむこと!


インタビュアー

「自分の経験を活かして」とありましたが、伊呂波さん流のノンアルコミュニケーションの極意はありますか?


言葉でいうとなんか軽いですけど、ノリと勢いですかね。


インタビュアー

ノリと勢い! ホストにはやっぱり重要ですか?


「オロナミンC、グイ!」とかやっていました(笑)。まずは自分が状況を楽しまないと相手を楽しませられないですからね。あと、お客様も周りのスタッフも基本年上なので、とにかく下から行って、まずは相手を知ることです。そのために、最初はひたすら媚びを売っていかないと(笑)。


インタビュアー

自分のポジションをわきまえて行動すると。


そうです。それで慣れてきたらあえて上からマウントを取ったりして。


インタビュアー

巧いですね(笑)。それは、お酒を飲まれるようになった今でも変わらないですか?


『Liz』のメンバーはもれなく酒ヤクザで(笑)、とにかく飲むんですよ。この前なんて、100万円のブランデーをピッチャーで一気してる奴もいましたから。


インタビュアー

よくそんなところでノンアルでやっていましたね(笑)。


とはいえ、ただ飲めばいいわけではない。一気をするのも、その場を楽しませるためにやっていることですからね。やり方は人それぞれです。でも、ブランデーを一気はさすがにヤバい(笑)。身体が持たない(笑)。


インタビュアー

(笑)。その他に、接客で気を付けていることはありますか?


ホストは連絡がマメって言いますけど、俺は全然LINEを返しません。結局は、実際に女の子と会ったときにどれだけお姫様扱いできるかだから。そりゃ、マメにLINEをするに越したことはないけど、一緒にいるときのさりげない優しさの方が大事です。


インタビュアー

一緒にいるときに優しくする、それが真理かも知れませんね……。具体的にはどのようなことをされるんですか?


二人で歩いているときに車が来たら避けてあげたり、「そこ水溜まりあるよ」って言ってあげたりとか、ほんとに些細な気遣いです。一度、引っ越しの手伝いをしたこともあります(笑)。会っているときがすべてだから、特に二人きりでいるときは携帯をいじりたくないし、そういう点でも連絡が遅れるんです。女の子からしても、会っているときに他の人と連絡を取っているのは嫌じゃないですか。


インタビュアー

これまでに「しくじったな」ってことはありますか?


いっぱいありますよ。一番最悪なのは、名前の間違いですかね。あとは、約束の日とか、誕生日を忘れていたときとか。新人の頃は、仲良くなったと思ったのに自分だけだったとか。


インタビュアー

そういう凡ミスも経てきたんですね……。


もちろんです。一回やばかったのは、1000万円の売上をはじめて達成したときですね。そのときのエースとサブエースがカーテン一枚の近い距離でいたときに、サブエースの子に「1000万円達成したのはお前のおかげやから」と伝えたんですよ。それがエースの子に聞こえちゃって(苦笑)。次の瞬間にビッシャン!って大きな音がすると思ってすぐにテーブルへ向かったら、ボトルも灰皿もグラスも次々投げられて。なんとか店外に出すことに成功したんですけど……。


インタビュアー

これ以上ない修羅場ですね……。


そうっすね(笑)。服もビシャビシャになったので、シャンパンコールはヒートテック一枚でやりました。さすがに上裸はあかんやろと思って(笑)。

武器はオールラウンダーであること


インタビュアー

伊呂波さんが考える、ホストに必要なものって何ですか?


自信ですかね。何もない奴ほど自分に自信がないし、そんな奴に女の子は付いてきてくれませんから。そのためには、何か一つでも自信に繋がる武器がないといけない。俺の場合は、何事も無難にこなせるということです。どんなことでも7割くらいは平均的にできる。あと、いわゆる苦手なお客さんがいないんですよ。


インタビュアー

あ、それは様々なタイプの女性が来られるホストクラブでは大きい強みですね。


ヘルプについたときも、「あいつはどんなタイプでも無難にこなしてくれる」と思われていたんじゃないかな。


インタビュアー

なるほど。でもそれって、裏返せば器用貧乏ということになりませんか?


確かに、お酒がバカ強いわけでもないし、めちゃくちゃ話が面白いわけでもない、スタイルや見た目もそこそこ。でも、それを卑下する必要はなくて、こんな俺だからこそ指名してくれている人がいるってポジティブに考えています。だって、いくら仕事とはいえ、楽しいことしかしたくないんで。実際に今は楽しいですよ。嫌なことはないし、落ち込むこともない。


インタビュアー

そう言い切れるのはカッコいいですね。でも、そんな前向きな伊呂波さんでも、ホストを辞めたいと思ったことはあるんですか?


(昼職に)憧れがないかと言えば嘘になりますね。にホストはお金がかかるし、安定しないから毎月死に物狂いでやるしかない。普通に働いて、決まった給料でそれに見合った生活を送るのもいいなと思うこともなかったわけではないです。でも、だからこそ高望みを続ける意義があると思っています。天職だと思ってやるしかない。

若手のモチベーターであり続けたい


インタビュアー

ホストとして、伊呂波さんはどうありたいと思っていますか?


俺はまだ20歳だけど、たった1年半でここまでたどり着くことができた。だから、18~19歳の若いホストの目標になったり、この人を超えたいっていうモチベーションになったりすればいいなと思っています。最近、Twitterでは18、19歳くらいの新人ホストにフォローされることが多くなっていて。


インタビュアー

それは伊呂波さんがひとつの目標だからなんでしょうね。


目標になってるし、期待されてもいると思うんですよ。デビュー2年目でここまで来たわけだから。


インタビュアー

若くして後輩たちの壁になる覚悟がありますね。では最後に、今後の目標をお聞かせください。


まずは、1400万という自分の月間記録を超えること。そして、年間億を目指します。今年の売り上げはグループで11位。そんなに甘くないことも十分わかってますけど、やっぱり1番になりたいですね。でも、さっきも言いましたけど、俺の仕事のモットーはあくまで楽しく。目標のために、自分にはできないような無理をしようと思っていません。とにかく自分が楽しんでいられれば、売上は自然に付いてくると確信しています。

インタビューを終えて

ホストをはじめたのは10代で背負った1000万単位の借金を返すためとは、驚きました。その返済を完了したあとも、ホストという仕事を楽しみながら、研究・探求をやめていない姿勢は、年齢に関係なく尊敬できると思いました。また、インタビューのときも感じましたが、確かに伊呂波さんはさりげなく気遣いができる人なのです。それってホントに大事だと思いました!

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