早乙女ザスイーツ朱美 【インタビュー連載】ホストたるもの、道を作れ~トップホストたちの金言~【Vol.2】
だが、自分だけの道を切り開き、極めなければ「上」には辿り着かない。
この連載では、トップクラスのホストたちに、
No.1を目指す上での心得、思考、大切なものを聞いていく。
ひとりひとりが持つ、ホストとしてのプライドとその歩みとは。
【Vol.3】 早乙女ザスイーツ朱美
“時代は2部!”をキャッチコピーに、歌舞伎町の朝に変革を起こそうとしている「Liz -A-」(リズエース)の代表取締役、早乙女ザスイーツ朱美。ホスト歴は10年を超え、2013~2015年には3年連続売上ナンバーワンに輝いた男の、ホストとしての哲学とは。SNSや動画配信などにも積極的に乗り出した、彼の魅力と考えに迫る!
Profile
早乙女ザスイーツ朱美
LiZ-A-の代表取締役。プロデューサー兼プレイヤーとして店舗に在籍している。SNSの運用にも積極的で、後輩ホストである「君とザスパイシー歩」、「きなり」と『早乙女イズムちゃんねる』を開設した。最高月収は1200万。趣味は格闘技。
向いていると思ったことはない。ただ、負けたくなかった
朱美さんはホストになられて何年目ですか?
インタビュアー
朱美
14年目ですね。元々はホストにまったく興味はなかったんですけど、上京した18歳のとき、コンビニのハンバーグ弁当にスパゲティを入れる派遣バイトをしていて。10時間ぐらい働いて6000円くらいの。
けっこうキツイ仕事ですね。
インタビュアー
朱美
そう。その仕事の帰りかな、新宿の駅前でスカウトされて。最初は断ったんですけど、2時間体入(体験入店)したら5000円くれるって言われたんで、見学しにいったんですよ。その日、結局一万ちょいもらえたんです。
工場バイトと比べると高額ですよね。
インタビュアー
朱美
もう全然違う。ただ、当時入った店舗は、超厳しかったです。古き良きホストの世界っていう感じかな?
ホストに向いているなという気持ちはあったんですか?
インタビュアー
朱美
向いていると思ったことは一度もないですね。そのお店には3年くらいいたんですけど、最初の1年は指名ももらえなくて、ヘルプを繰り返してただ酒を飲むだけ。その頃は楽しいと思ったことはないですね。
その状況でなぜ続けられたのでしょうか?
インタビュアー
朱美
負けたくないって気持ちが強かったですね。このままやめたら意味ねぇなと。親にもやめろとか言われたんですけど、2年続けてそこでやめたら、その2年は損じゃないですか。同級生は昼職やったり結婚したりしていて、2年分のタイムロスはかなり大きい。だったら今の仕事を極めて、収入で差をつけるしかないなと。
冬月に入ったのはいつですか? このグループに入ったのは2012年ですね。規模も従業員の数も違うし、グループのバックアップ力、メディア力も違って。チャンスもけっこうあったから、これまでホストとしてやってきたことを活かせばもっと売れるなと。良い意味で全然厳しくないし。
インタビュアー
朱美
細く見えるが、格闘家のようにシェイプされた肉体を持つ
指名してくれたお客さんがどんな目的を持っているのか、考える
ホストとして朱美さんが重視しているところはどこですか?
インタビュアー
朱美
お客さんに対しては、お互いに思ったことを言い合える関係を作るのがひとつのテーマですね。騙して何かをやるんじゃなくて、本音でなんでも言えるみたいな。ホストとして大事にしているところです。
接客の上で参考にしているものはありますか?
インタビュアー
朱美
一番は経験じゃないですかね。いろんなホストやお客さんを見てきて、今の心境に辿り着いた感じです。
お客さんのタイプを見分けられたりしますか? 例えば、このお客さんは常連になりそうだ、とか。
インタビュアー
朱美
どういうタイプのお客さまなのかは最初に考えますね。こういう風に接客したらお金を使ってくれるなとか、じっくり時間使って距離を縮めないとお金を使ってくれないなとか。僕を指名してくれたお客さんがどんな目的を持っているのか、注意深く見ますね。
最大で何人くらいとやり取りを行っていましたか?
インタビュアー
朱美
ピークのときは200人くらいかな。起きたら一時間かけて全員にメールを送って、仕事前に返信が来ている分はすべて返して、仕事終わりにまた全員に送って、の繰り返し。200人に連絡を取っていたらひとりは来てくれるんで。
朱美さんが代表を務めるリズエースは2部ですが、2部を選んだその理由は?
インタビュアー
朱美
冬月入るまでは1部で、冬月入ってから2部になったんです。売上とか朝に飲むこととかも含めて不安はあったんですけど、やってみたらすごく快適でした。
どういったところが?
インタビュアー
朱美
生活リズムが安定するんですよ。朝起きて、夜寝てっていう、一般人と同じ生活リズムになるんですよ。
「早乙女イズムちゃんねる」は一般の人に観てもらいたい
SNSの普及によってホストの仕事の幅は広がりましたか?
インタビュアー
朱美
だいぶ変わりましたね。それまではお店に来てもらって、必死にお客さんを楽しませて、その人が口コミで広げてくれてようやく有名になったんです。でも今は、SNSで自分をアピールできるので、初回よりも大事じゃないですか。
まずSNSでのアピールが商品価値の向上につながると。
インタビュアー
朱美
SNSでは何千人って人が一気に自分のことを知ってくれる。お店だと最大で一日5人が限界。お店の子たちにも「やんないと話になんないよ」と言ってます。
YOUTUBEで配信もやられていますね。
インタビュアー
朱美
そうなんですよ。「早乙女イズムちゃんねる」って名前で。配信の良いところって、自分がやったことがダイレクトに評価されるじゃないですか。俺、めちゃくちゃ向いているんですよ。今日はメンバーも連れてきたので紹介します。
歩
「君とザスパイシー歩」という名前で「早乙女イズムちゃんねる」に参加しています。僕は激辛試食動画をメインに、いろんなことにチャレンジしています。
きなり
きなりです。僕は担当とかあまりないです。
いろんなホストの皆さんが最近、動画配信をはじめていますね。
インタビュアー
朱美
確かに。でも、わりとホストクラブに来るファン向けのものが多いですよね。僕らは一般人向けのものにしたいんですよ。じつは冬月のオフィシャルちゃんねるでやっているわけでもないですし、そこから勝ち上がりたいですね。
歩
SNSがホストにとっても重要っていうのは間違いないんで、僕らも動画制作に賛同した感じでした。
どういうネタが受けるんですか?
インタビュアー
きなり
歌舞伎町に来た女の子にちょっとHな質問をするインタビュー動画を作ったんですけど、シモネタっぽい話が乗っていると、男女問わず伸びますね。
朱美
辛いものを食べる企画は伸びない(笑)。ライバルが多すぎて。
那須川天心に挑戦する某テレビ番組の企画に密着したりと、格闘技系の動画もありますね。 格闘技、昔から好きなんですよ。子供の頃からK-1とかプロレスとかよく観てて、東京に出たらやろうと思っていました。今は仕事を終わって、夕方から夜中までジム行ったりしています。なんか、似てるんですよ、ホストと格闘技。
インタビュアー
朱美
例えばどんなところが? まず、自分が商品。だから、自分が努力した分だけ知名度も実力も上がっていく。特に道具もいらないし、身体ひとつで勝負するところ。
インタビュアー
朱美
強さで勝負するだけじゃなく、派手な言動でアピールするのもプロというところも。 そうなんですよ。強いだけじゃ商品にならない。ホストもかっこいいだけじゃ商品にならない。奥深いんですよ。
インタビュアー
朱美
朱美
早乙女イズムちゃんねるのメンバー。左から朱美、歩、きなり
今こそホスト業界は全盛期だと思います
プロデュースされているリズエースの魅力を教えてください。 お店が楽しいって言って通ってくださるお客さまが多いですね。若いホストも多いですし、ベテランとの融合もうまくいってて。あと、店には本気のホストしかいないんですよ。ヘルプに対しても初回のお客さんに対しても全力でやるんで。そこが魅力ですかね。
インタビュアー
朱美
冬月グループに所属する、他の店舗へのライバル視とかありますか?。 あんまりないですね。自分の店がやっぱり一番って考えているし、ただ、そうやって他の店舗も「俺の店が1番」ってバチバチし合うことで、お互いのお店が盛り上がっていくのが理想かなって思いますね。
インタビュアー
朱美
歌舞伎町のイメージもどんどん変わってきましたね。 歌舞伎町はだいぶ人が増えましたね。10年前はホストかスカウト、もしくはキャバ嬢かその筋の人しかいなかったですけど、今は学生もいるし家族連れもいるし、外国人もたくさんいる。昔はアングラなイメージもあった歌舞伎町も、今は外国人も多く来る観光地になりました。だからこそ、ホストもイメージ良くなってきてるんじゃないですかね。お客様も増えているし、今、ホスト業界は全盛期だと思いますよ。
インタビュアー
朱美
これからホストになろうと思っている人に必要なものってなんですか? ホストになるためのモチベーションじゃないですかね。なんとはなしにはじめたら売れないし、ホストになったからにはNo.1になりたいとか、一億円稼ぎたいとか、自分のお店とか会社を起業したいとか、そういう気持ちが強いのが大事かなと思いますね。それがなかったら、どんなにかっこよくて喋れても絶対に売れないですね。
インタビュアー
朱美
今後やっていきたいことは何でしょうか。 これからはもっとSNSの時代になっていくと思うので、効率よく活用して店の子が全員、有名になるようにしていきたいですね。リズエースと言ったら朱美、じゃなくて、部下の子たちの名前も出るようなホストクラブにしていきたい。そうしたら必然的に、リズエースが一番有名なお店になると思うんで、それを目指しています。
インタビュアー
朱美
ホストとして大切なのは、なぜ働くかのモチベーションだ
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