渋谷奈槻 ホストたるもの、道を作れ~トップホストたちの金言~【Vol.3】

INTERVIEW〜インタビュー〜

 

ホストの頂点を目指す道は、決してひとつではない。
だが、自分だけの道を切り開き、極めなければ「上」には辿り着かない。
この連載では、トップクラスのホストたちに、
No.1を目指す上での心得、思考、大切なものを聞いていく。
ひとりひとりが持つ、ホストとしてのプライドとその歩みとは。

 

【Vol.3】渋谷奈槻

“しぶなつ”と聞けば、歌舞伎町、そしてホストに少しでも興味がある者たちは誰しもが反応するだろう。それほどまでの影響力を持つ冬月グループのNo.1にして、プロデューサー兼トッププレイヤー・渋谷奈槻。彼のホストとしての生き様をここに記す。

PROFILE
渋谷奈槻(しぶや・なつき)
『FUYUTSUKI -PARTY-』のプロデューサー兼プレイヤー。金沢での経験を経て、8年前から歌舞伎町でホストとして活躍。現在は冬月グループのトッププレイヤーとして、グループ全体を象徴する存在でもある。

受賞歴 2300万プレイヤー 252本プレイヤー

※2019年 6月7月2カ月連続2000万オーバー
8月最高記録更新中 ※2019/8/29日現在

17歳でこの世界に。その頃に得た接客の極意


インタビュアー

まず、冬月グループに入った経緯を教えてください。


しぶなつ

金沢で働いていたときは深夜営業だったんですけど、歌舞伎町に来た頃は1部営業(24時までの営業)が流行っていて。でも、それまでずっと深夜で働いてきたし、夕方からお店の準備をはじめるのは性に合わなかったから、夜明けからできる2部が良かったんです。上京した頃、冬月が2部を推していたので、それが入った理由のひとつ。


インタビュアー

東京に来て感じた地方との違いは?


しぶなつ

女の子の質かな。女の子自身がお金を払ってくれるから。地方だと、女の子が連れてきた男性客が太客だったりするので。


インタビュアー

歌舞伎町で働くホストから、なにか影響を受けたりしましたか?


しぶなつ

僕、他のホストのことはわからないんですよ。身内としか働かないし、同業者との付き合いをまったくしないから。


インタビュアー

となると、自分のやり方は自分で決めると。


しぶなつ

そう。僕が17歳のときに入店したボーイズバーの代表から教わったことだけが指針ですね。その代表が世界で一番おもしろいと今でも思っています。頭の回転もめちゃくちゃ早いし、人が喋ることも事前に察知しているんじゃないかと思うくらいで。代表のマネをすれば絶対に売れるんじゃないかって。


インタビュアー

具体的にはどのような部分でしょうか?


しぶなつ

話術で言うなら、話すテンポ、間ですよね。あとは、何をするにも自然なんですよ。お客様を迎え入れるときも、お店から見送るときも常に。


インタビュアー

スキルを磨くために本を読んだりはしますか?


しぶなつ

本はめちゃくちゃ読みました。ホストのスキルに少しでも通じるなと思うものは。占い師とかアウトローな人たちとか、いろんな業界で活躍する人の心理を知りたいと思って。


インタビュアー

そこでスキルを徐々に高めていったと。


しぶなつ

いや、根本は変わっていないと思います。ただ興味があって知りたかっただけで。それを自分で応用して使おうとかはあんまり思わないです。17歳でこの業界に入ったのがデカかったですよ。若いときって吸収力が違うから、身につく部分も多かった。今から必死に学んでもそうならないから。


ぶれない。それがしぶなつというブランドを形作る大きな軸だ

課題に向かって努力する、それがホストでも大事


インタビュアー

今は店舗のプロデュースもされているわけですけど、ホストとして働く上での心得は?


しぶなつ

とにかくお金を稼がないと意味がないんで。その上でトップになって、誰よりも影響力をもって、店や従業員が潤えば良いなって思いますね。


インタビュアー

普段からどういう風に女性と連絡を取り合っているのでしょうか?


しぶなつ

連絡を取り合うのは20~30人ですね。100人までいった時期があるけど、それが限界でした。はじめたばっかりのホストだったら、3人でもしんどいと思いますよ。1000万円使う人から5万円使う人もいるので、そういう人たちとちゃんと考えて向き合うのなら。


インタビュアー

その中でどうお客様を楽しませるか。


しぶなつ

トップになるなら、どういうお客様と付き合うかですね。


インタビュアー

プロデュースしているお店の魅力を教えてください。


しぶなつ

そうですね……僕がいることですね。それをわかっているから自分がプレイヤーでいるので。


インタビュアー

ホストとは別の仕事をやりたいという願望は?


しぶなつ

ホストしかやりたくないですね。この仕事が好きで、この仕事で生きていくことを選んだので。今でも楽しいし、最高に幸せだなって思いますよ。僕がダサいと思うのは、金を稼ぐために腰掛けでホストをやって、一番を目指さない人。結果的に一番になれないのは仕方ない。だけど、ホストの世界で一番になるような情熱がなくて、別の世界でその人がやる仕事に誰が共感するのかって話じゃないですか。


インタビュアー

確かに。そういう心構えみたいなものも後輩に教えたりするのでしょうか?


しぶなつ

スキルはほとんど教えなくて、生き方ですね。僕の考え方は、言ってしまえば野球選手もサッカー選手も一緒で、課題に向き合って「努力しなよ」ってことです。ホストだったら太るな、かっこよくなるために整形するならしろ、出勤時間より早く出て、遅く帰れというところから努力しないとだめですね。


インタビュアー

効率性やスキルよりは生き方を叩き込むと。


しぶなつ

結果的にはそれが一番効率的なんですよ。ホストの売れる、売れないは運なので。売れるまでやっていれば売れるとしか言えない。


ホストにしか興味がない。そう言えるのも道を極めたものだからこそ

成長するには、知識や経験を全部捨てること


インタビュアー

これまでに挫折とかありましたか?


しぶなつ

ありましたね。挫折というか、負けたことが何回も。だけど、下がっているときは上がるだけだから楽なんです。むしろ、トップのときの方が下がるしかないので、不安になる。そういう上がり下がりは当然あるって考えながらやってますね。


インタビュアー

そういう不安をどう乗り越えていくのでしょうか。


しぶなつ

客観的に自分を見ることが大事じゃないですかね。知識や経験を全部捨てて、そこから新しい自分を生み出せるかどうか。経験を重ねていくとだんだん億劫になるけど、そういう経験を努力で捨てていくんですよ。


インタビュアー

冬月グループは今後どうなっていくべきだと思いますか?


しぶなつ

語弊なく言えば、悪くなればなるほど良いと思っていますよ。そっちの方が新しいことにチャレンジできるから。例えば、僕が今から社長になったら、まだいろいろできると思いますけどね(笑)。


インタビュアー

現在の歌舞伎町にはどのようなイメージを抱いていますか?


しぶなつ

狭いところに押し込められているのが良くないですね。新宿の街全体が歌舞伎町になったら、めっちゃ経済回ると思いますよ。


インタビュアー

しぶなつさんが上京してから、歌舞伎町、ホストクラブも変わりましたか?


しぶなつ

変わりました。SNSの影響力がとにかく強くなりましたね。その影響で良いこともあって、「ホストの通い方の正解」みたいなマニュアルがネットにあるんですよ。それを参考にしてちゃんと現金を持ってきたり、お金を稼ぐ方法をお客さん同士が共有しているんです。あと、かわいい子が増えました(笑)。


インタビュアー

最後に、ホストとして次なる野望はありますか?


しぶなつ

けっこう野望は叶えちゃったんですよ。だから、死んでも良いと思ってます(笑)。だって、普段から3時間くらいしか寝ないので、起きている時間を考えたら普通の人よりも密度の濃い人生を送っていて。なんか人生、長いなって感じてます(笑)。


カリスマの未来はどっちだ!

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